プレゼンづくりは、彫刻家が大理石を掘り起こすようなもの

プレゼンづくりは、テーマと向かい合うプロセス

from 野村尚義 プレゼンづくりで、語るテーマと向かい合う 私は仲間の事業家に「自分のビジネスについて10分・・・

from 野村尚義

プレゼンづくりで、語るテーマと向かい合う

私は仲間の事業家に「自分のビジネスについて10分間のプレゼンにまとめてみると良いよ」という話をします。それは、魅力的に事業を語るためというよりも、まず自分の事業と向かい合うため。

そう、プレゼンをつくる時間のなかで、その語るテーマと向かい合うことができる。これこそ、プレゼンづくりの隠れた効用なのです。

考えざるを得なくなるのがプレゼンづくり

たとえば事業説明のプレゼンをつくろうとすると、以下のようなことを考えざるを得なくなります。

  • 結局のところ、自社はどんな価値を提供する会社なのか?
  • 誰のお役にたつ会社なのか?他の会社とは何が違うのか?
  • お客様の役に立っていると、なぜ言い切れるのか?証拠は?
  • どんな思いで、この仕事をしているのか?

こうした本質的な問いについて、私たちは日頃から考えているわけではありません。大切な問いですが、意外と考えなくても仕事って回ってしまう。そして、後回しにしてしまう。

なぜ後回しにしてしまうか? 大変だから。でも、その大変さに負けずに向き合った人だけが、問いに対する答えにたどりつけるわけですね。

ちなみに、これは事業プレゼンに限った話ではありません。営業の商品紹介ならば、その製品について最大の魅力を発揮する瞬間について考え抜く。プロジェクトの経過報告ならば、自分がおこなってきたことの価値についてあらためて考え抜く。

プレゼンづくりの時間は、そういうプロセスになります。

プレゼンづくりは、形を与えるプロセス

「いや、あらためて考えなくても、自分がやってきたことだし。全部わかってることですよ」

あなたは、そう思うかもしれません。そして、確かにそのとおりなのです。すべての答えは自分の中にある。にもかかわらず、即興で語ろうとしても、なかなかうまく言葉にできない。

プレゼンづくりは、彫刻家が大理石を掘り起こすようなものなぜ言葉が出てこないのか? 言語化はそれほどに自然とできることではないからです。頭のなかにモヤモヤと形にならずに存在するものに、文字の組み合わせで形を与える作業。それは並大抵ではありません。

彫刻家が大理石の塊を目の前にして、その中に眠っている女神像の姿を取り出そうとするようなものです。ミケランジェロにはその姿が容易に見えたそうですが、一般的な芸術家には難しいことなのでしょう。

そんな彫刻にも似た作業が、言語化。しっかりと向かい合うことで、ムダが削ぎ落とされ、メッセージが整理され、表現が研ぎ澄まされていく。

プレゼンづくりは、自分のバージョンアップのため

このプロセスを経ずに即興でおこなうプレゼンと、プロセス後のプレゼンはまったくの別物です。後者は、まさに作品と呼ぶにふさわしい出来。

そして、話し手自身のテーマへの理解も、プロセス前とプロセス後では雲泥の差。苦悩のプロセスを経たぶん、話し手自身もレベルアップできるのです。

私の指導経験から言っても、レッスンが始まる前は「どうやって魅力的に語るか?」と表現力だけを意識している人も多い。でも、レッスンが進むにつれ「そもそも、何を語るべきなのか?」という根本に立ち返る方が多いです。

私はそうあるべきだと思うし、そのほうがプレゼンのレッスンを通じて得るものも多いと思います。
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