プレゼンの質疑応答では受け手の質問を3分類で考えよう

質疑応答では、受け手の質問にどのように対処するかが問われます。その前提にあるのは、すべてに答えようとするのではないということ。対処は質問のジャンルで違ってくるのです。

from 野村尚義

■質疑応答ですべてをカバーするのは不可能

前回の記事

「そもそも、質疑応答ですべての質問に答えられる必要はない」

と言いましたが、それで済ませるのもさすがに乱暴ですね。

 

受け手に選ばれるためには、その領域の専門家としての実力があることを示すことも大切。

その意味で、受け手から「こいつ、何にも知らないな」と思われるわけにもいきません。

質疑応答で実力を示すためには、答えられる範囲でバシッと決めたいものです。

 

一方で、前回お話ししたとおり、すべてをカバーすることは不可能だし、そもそも非効率。

「完璧は目指さないけど、最低限は押さえたい」

そんな、非常に中途半端な立ち位置に置かれてしまいます。

 

■質問を3分類にする

では具体的にどうするのか?

私はトレーニングの現場で「質問がきたら、まずは3つの分類のどこに属するのかを判断してください」と教えています。

3分類というのが、以下の3つ。

 

1.そもそも質問ではない

2.答えられなくても仕方がない質問

3.答えられてしかるべき質問

それぞれ、簡単に解説します。

 

■そもそも質問でないものが、質疑応答では訪れる

まず「1.そもそも質問ではない」ですが、これが意外なほど質疑応答で横行するのです。

受け手があなたの話を聞いているなかで、自分の主張をぶつけたくなってくる。

そして、その主張を質問という形態をとって語るわけですが、そもそも元が質問ではないので何がいいたいのかよくわからない。

 

特徴は、最後が「…だと思うのですが、そのあたりいかがでしょう?」という語尾で終わること。

いかがでしょうって、なんでしょう?

結局、何が聴きたいのでしょう?

 

この手の発言に、回答で返そうとすることは困難です。もともと、質問ではないわけですから。

このタイプの発言への対処は2つ。

 

ひとつは「相手の主張を認める」こと。

もうひとつは「相手が質問したかったことを確認する」こと。

 

■相手の主張を認める

受け手が単に主張したいだけなのでしたら「相手の主張を認める」ことです。

もちろん、あなたの意見と相反しないのであればですが。

もし、受け手の主張があなたのそれと正反対であり、認めるわけにいかないのでしたら、戦うか、もしくは後に回すかです。

でも、そういう機会は正直少ないですね。

 

■相手の質問を探る

もうひとつは「相手が質問したかったことを確認する」です。イメージで言うとこう。

 

相 手「…だと思うのですが、そのあたりいかがでしょう?」

あなた「ご意見とご質問ありがとうございます。今おっしゃっていただいたことですが、○○というご質問でよろしいですか?」

 

このプロセスを経ないと、混乱が生じます。

わかりにくい質問は、あなたにとっても理解しにくいですが、実は相手のなかでも聴きたいことがあやふやなのです。

だって、先ほどいったとおり”主張したい”というのが一番の目的なのですから。

 

ほんの少し、裏ワザを言ってしまいましょう。

この「○○というご質問でよろしいですか?」のときに質問を自分にとって答えやすい質問に誘導してしまうことができます。

相手の中で、聴きたいことがはっきりしているならばともかく、そうでないのならば”その場をいい感じにフィニッシュさせる”ことに意識を向けるわけです。

 

■質問は焦点がクリアでないと、答えようがない

いずれにせよ、大切なのは「わかりにくい質問をそのまま放置しない」ということ。

私たちは「質問に対しては、すべて答えないと!」と思い込んでしまうと、よく意図がわからない質問にもがんばって答えようとしてしまいます。

 

そのとき、意識は相手が投げてきたボールの全てを打ち返そうとしてしまっているわけです。

しかし、相手のボールにはとんでもない暴投も含まれている。

そんな悪球は打ち返そうとするのではなく、やさしく受け止めて、もう一度なげさせてあげましょう。

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