~目次~
stay hungry, stay foolish
あなたは、プレゼンテーションに関心がある方、またはアップルやジョブズのファンの方ですか?そうであれば、この言葉は説明せずともわかることでしょう。
“Stay hungry, stay foolish”
スティーブ・ジョブズが2005年6月、スタンフォード大学卒業式辞で語ったスピーチ。そのなかで、締めくくりの言葉として述べたのがこのstay hungry, stay foolishでした。
非常に印象に残るフレーズ。ネットで調べても、多くの方がこの言葉について感想を述べています。しかし、あなたは思いませんか?
この言葉、どういう意味で使っていのだろうと。。。
hungry,foolishの指す意味
おそらく、直訳で「飢えろ、バカでいろ」という意味ではないでしょう。ただ、hungryとfoolishの言葉のイメージをつかむと、こういう風に考えることもできます。
hungry:渇望せよ
「現状に満足して歩みを止めるな。より先の未来を渇望し、追い求めよ」foolish:常識に牙を抜かれるな
「インテリどもの言う常識に踊らされるな。それはあなたの牙を抜くための罠だ」
なんだか、スティーブ・ジョブズが言いそうな気がします。ネット上のコラムなどを見てみると、hungryとfoolishを合わせて「青いままでいろ」とか「若くいろ」と捉えている方も多そうです。
若き日の孫正義さんも著書の中で「死ぬまで青くありたい」といったことを言っているそうですね。しかし、私は実は少し違う見方をしています。
メッセージの意味は、全体に目を向けると見えてくる
なぜ違う見方をするのかというと、私は”stay hungry, stay foolish”だけを見ていないからです。だって、この言葉はスピーチのまとめなのですから、スピーチ全体を見ないといけません。(スピーチを見たことない方、忘れた方は以下をご覧ください)
では、この15分のスピーチでは何が語られているのでしょうか?ポイントをまとめたスライドをご覧ください。
この構造を見ると、stay hungry, stay foolishのメッセージは、3つのキーメッセージのまとめであると理解できます。その3つというのが、
- “点と点はつながる”と信じて、今の点を選択せよ
- 愛と敗北こそが、人生を豊かにする
- 死を感じて、今日を生きよ
ちなみに、3つのキーメッセージは野村の意訳です。
3つのメッセージを集約すると、ジョブズが言いたかったことがわかる
Point1:”点と点はつながる”と信じて、今の点を選択せよ
ここでは、ジョブズは自分の生い立ちを語りました。両親が強く願って入った大学ですら、自分はやめてしまった話。そして、やめたからこそ、いまのマックの美しいフォントがあるという話。そこから、自分の行動に迷いがあっても、決断せよとジョブズは語ります。
「今の決断というドットは、将来のドットと必ずつながる」と。
Point2:愛と敗北こそが、人生を豊かにする
語られるのは、ジョブズがアップルを追われたときの話です。彼にとって衝撃の出来事でしたが、それによって身軽さをとりもどし、ピクサーを創業する。
そして、そこで開発された映像技術は、ジョブズが復帰してからのアップルにおける、中核技術のひとつになっています。彼は語ります。「それは苦い薬でした。しかし、患者には必要だったのでしょう」
Point3:死を感じて、今日を生きよ
ジョブズがガン宣告を受けるエピソードとともに、死を語ります。「ほとんどの物事、外部からの期待、自分のプライド、屈辱や挫折に対する恐怖は、死を前にすると無力になる」。彼の言葉は、こういうことではないでしょうか。
「私たちが死を自分のものとするまでの時間は短い。だから、他の誰かの人生を生きている暇はない」
ジョブズが3つのエピソードから言いたかったこと
この3つのメッセージを集約したとき、私が受け取るメッセージは、以下のとおりです。
たしかに、迷いはある。失敗も怖い。周りの目も気になる。
しかしそれらに押しとどめられて歩みを止めれば、我々は「大したことのない自分・他愛のない自分」から脱却することはできない。
手放すこと・失うことを恐れず、自分の信じたことをやろうじゃないか。
少し短くすると、
「恐れず、迷わず、捉われず、信じた道を行け」
これが、私なりの”stay hungry, stay foolish”の解釈です。
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