【演劇から学ぶ人間心理】 「自分は欠陥品だ」感じることから逃げる思い・戦う思い

スピーチ・プレゼンテーションは人の心を掴むための言葉の紡ぎ方です。そう考えれば、心の動きに精通することが必要。それを演劇から感じた話をしていきます。

from 野村尚義

昨年に宝塚歌劇を見たのを皮切りに、舞台・映画・小説など幅広く”ストーリーもの”を見あさっているのですが、今日は地元で演劇舞台を見てきました。

杉並区では10年以上も杉並演劇祭というのをやっていて、この時期色々な舞台が見られるそうです。私も見るのは今年が初めてですが(笑)

今日見たのが、Avant-garde Wonderlandさん主催の「機械じかけの夢を見て」。とある女性の姿をしたロボットと、3名の開発者を取り巻くストーリーです。

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とってもヘビーな内容でした(笑)
そして、かなり心に残るものがありました。

ストーリーから心の掴み方を感じ取る

そもそもなんで私がストーリーものを見あさっているのかというと、人の心の勉強のためなんですよね。上質な物語は、それに触れたオーディエンスの心をほんの120分で掴んでしまう。

私はスピーチやプレゼンテーションという世界で心の掴み方を練ってきましたが、また別の世界(演劇の世界)でどのようにしてハートをつかんでいるのかを、初心に帰って勉強しようとしています。

スピーチと演劇って、結構相性が良いのです。有名なところだと、鳩山政権では劇作家の平田オリザ氏がスピーチライターとして参画したりしているくらい。

自分を欠陥品だと感じてしまう思い

今回の演劇、私が勝手に感じたテーマは「無価値観との戦い」。登場人物たちは、みんな自分ことを欠陥品だと感じている。そのように私には見えました。

そんなつらい思いを持っていながら、いや持っているからこそ自分を直視できない。自分を直視せずに生きていく自己防衛の手段として、ある人は「自分はこういう人間だから」と開き直り、ある人は引きこもって人を避け、ある人は完ぺきな自分を演じて装う。

やり方はそれぞれだけれど、結局それらは自己防衛の殻に閉じこもっているだけなので問題は解決しない。物事は前に進まず、悶々とした今を過ごしている。

そんななか、お互いの思惑の違いから登場人物たちは衝突し、思いとはうらはらに自分を直視せざるを得なくなる。そこには見たくなかった現実もあるけれども、自分の弱いところ・脆いところ・醜いところの向こうには希望の光も見え始める。そんな話に私には感じられました。

ヘビーだけれども、やさしいストーリー

今回の演劇はとてもヘビーな作風というか、つねに「お前はどうなんだ?」と突きつけられる感じがした一方で、とても優しいものだとも思ったんですよね。

作品のなかで描かれる「自分は欠陥品」と苦しむキャラクターたちの姿は、「無価値感に苛まれているのは、あなただけじゃないと」と観客にメッセージを伝えているようにも見えました。

想像してみてください。自分が自分を欠陥品だと感じていて、そんな風に思って苦しんでいるのは自分しかいない世界を。あまりにも孤独すぎます。でもそんな風に苦しんでいるのが自分だけでないと思えたら、痛みはなくならないけれど、少しは和らぐのではないでしょうか?

そしてそんな自分を直視していくプロセスは「あなたも殻を破れるよ」と言っているように、私には感じられました。

人間心理によりそったスピーチ

今回感じたものをすぐにスピーチに盛り込むということは、私はしないと思います。もっと熟成させる必要があると思うから。

ただ、自分も含めた人間心理のなかで「人には強いところ・美しいところもあるし、弱いところ・汚いところもある。強さや美しさは当然のこと、弱さすら出すのは憚られないが、汚さだけは表現したくない」という思いがあると思っていて、でもそれを越えたところ(汚さをさらせるところ)に未来があるともずっと感じているんですよね。

結局、最近ずっと考えているところに帰着したなという感じです。

もっともっと人間心理を深く知り、それによりそったスピーチが作れるようになれればいいなと思います。

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