from 野村尚義

おわりましたね、AKB総選挙2015。

職業柄、いつスピーチ分析の取材がきても大丈夫なように、3年くらい前から毎年きちんと見ています。

初年度は「ぶっちゃけ誰が何位でもどうでもいいよ」と思っていたのですが、毎年見てるとなんか応援したくなる人(通称、推しメン)も出てきますね。

高橋みなみスピーチ 渾身の8分13秒

twitterやFacebookでリアルタイムにスピーチの感想をアップしている友人も多かったのですが、反響が大きかったのはやはり卒業が決まっている高橋みなみさん

これまでの最高順位4位にふさわしい、素敵なスピーチだったなぁと思います。彼女のスピーチについては機会を見つけてじっくり語りたいと思います。

1位の指原莉乃スピーチのワンフレーズに心を掴まれた

とはいえやっぱり1位さしこのスピーチです。

さすが女王というべきワンフレーズに、私は心をつかまれてしまいました。

それがここ。

指原莉乃1位スピーチ

わかります?

原文で言うと

今年は、こんなに自分に自信のない指原が1位になることができました。

全国の自分に自信のないみなさん、私のように、いじめられて、ひきこもりになって、親にたくさん迷惑をかけてしまったみなさん、日の当たっていないみなさん、私は、もう一度1位になることができました。

奇跡の1回ではなく、自分が1年がんばってきたことを評価されての1位だと信じています。

私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位を、どうか自信に変えてください。

「全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位をどうか自信に変えてください」

これってすごい言葉だなと思うのです。

「この順位、ありがとう!」のスピーチだと埋もれる

多くのメンバーのスピーチはギュっと抽象化すると「ファンのおかげでこの順位。ありがとう!」か「現状で満足しません。もっとがんばります!」に集約されるように感じます。

つまり、得票や順位はゴールであり目的であり、その結果が発表されたいま、お祭りは一旦フィニッシュだと。

別に悪いことではないです。そりゃ嬉しかったり、落ち込んだりすることでしょう。

でも、さしこのフレーズは別のところを見ているなと思うんです。

さしこスピーチは他と何が違ったのか?

「全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位をどうか自信に変えてください」

この言葉、指原さんにとって順位はファンを勇気づける手段なんですね。そう思うと、ハートをつかまれた気持ちになりました。

みんなにとってゴールになるような大きなものですら、いちプロセスとしての手段でしかない人って、ずいぶん先が見えているんだなと思いませんか?

プレゼンやセミナーで「良かった」と言ってもらって満足していないか?

スピーチやセミナーでも同じことが言えます。

スピーチをして聴衆から拍手喝采が起こった。セミナーやって参加者から大満足してもらった。

で?その成功は、次のどんな結果につなげていくの?ここを見据えて最初から行動がとれるかどうかです。

 

スピーチ・セミナーで満足してもらえたということは、その前よりも信頼が積み重なったということ。

だから、信頼が積み重なる前にはできなかったような提案をかけることだってできるはずです。

たしかアメリカのコンサルタントの書籍ででこんなセリフがあったはずです。うろ覚えですけど。

私はセミナーをおこなったあと、満足してくれた参加者に別の高額セミナーやDVD教材などをセールスするのだ。

本当はそんなことをせずに、優越感に浸って帰りたい。「結局、売りたいだけか!」と思われるのも嫌だし、拒絶されて傷つくリスクだってあるのだから。

しかし、そこで次に進まなければ、参加者と私の関係はそこ止まりだ。私が儲かることもないし、私が救える参加者がもっと私の力を借りて人生を良くすることもない。

お互いにアンハッピーなのだ。だから私は売ることに躊躇したりはしない。

ゴールした瞬間に次のゴールがあって、さっきフィニッシュしたゴールは次への布石にすぎない。そう思えるか?

とくにセミナーの成功や、総選挙での高い順位のように、ハッピーな出来事であれば、その状況にどっぷり浸りたくなる気持ちはわかります。

でもそこで前を向いて次のステップに進めるのかが試されている。打ち上げとかやってる場合じゃないんですよ!

ヘパリーゼ

…そういえば最近、打ち上げが多くてですね。ヘパリーゼにかかる値段がハンパないです。なんとかなりませんかね。

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