from 野村尚義

■聴き手の心を掴む経営者

こちらの記事では”求められ、選ばれる人”になるということについて、ある女性トップセールスの実例を紹介しました。

今回は、ある経営者が”求められ・選ばれる人”になった例を紹介します。

私の友人でもある経営者Hさん。

 

彼は元々、敏腕の経営コンサルタント。
顧客の問題・課題に対して、数字と論理分析を武器に挑んできました。

そして、実際に多くのクライアントから引く手あまたの大活躍でした。

 

そんな彼が、一念発起。
自身が経営者として、あるポータルサイトを立ち上げました。

そのポータルサイトは、30代・40代の女性のライフスタイルを応援するサイト。
上質なレストランを紹介したり、イベントを開催して、女性が笑顔になるサービスを展開しています。
http://www.anekai.jp/

 

そして、その事業を大きくするための資金を得るために、投資家にプレゼンテーションをするわけです。

いかにこの事業には可能性があるか。
いかにこの事業は投資対象として魅力的か。

 

すると、投資家は言うのです。

「事業についてはわかった。
ところで、なぜ経営コンサルタントのキミが、このポータルサイト事業をやるんだい?」

 

すると、Hさんは答えます。

「収益が見込めるからです」

 

はい、Hくんアウト(笑)

その言葉は事実かもしれませんが、それを口にする経営者は魅力的なのでしょうか?

「この人の可能性を応援したい」と思わせられるでしょうか。

私はそうは思いません。

 

案の定、投資家からダメ出しを受けたHさん。

私のところに相談に来ました。

自分の思いを言葉にする手伝いをしてほしいと。自分の中には、思いがたくさん眠っているはずと。

■本人すら気づかない思いを掘り起こす

話を聞いて、Hさんは単に儲かるからという理由でやっているわけはないと思いました。

たとえ、本人のなかで自覚がなかろうとも。

私もHさんとは長い友人ですから、彼のことを理解してるつもり。

 

そこで根掘り葉掘り聞き出してみました。彼の思いを。

するとまぁ、出るわ、出るわ。

本人が忘れていた思いがあふれるように出てきました。

 

私が質問したり、情報の交通整理したり、言語化のサポートしたり。

それにHさんが応えるように、自分の記憶と思いを掘って、掘って、掘りつくす。

ほんの30分後、投資家向けのプレゼンテーションの原型はできあがっていました。

■奇跡の500シェア

Hさんは家に帰って、そのプレゼンテーションを文面に落とし込みました。

その文面がこちらです。
http://hiasa.co.jp/blog/?p=1186
とても長いので、全文掲載はしませんが、中タイトルだけ抜粋します。

■僕が人生においてやりたいこと
■そこに繋がるビジネスは何かと模索
■東日本大震災と母の笑顔
■女性の笑顔が社会を変える

■自分が主役じゃなくなっていく
■ほんとに彼女たちは主役ではないのか?
■主役になれる場所。それがレストランではないか?
■笑顔になれる瞬間を作ることが使命

 

Hさんが母から引き継いだもの。
そして、女性を元気にすることへの思い。
それらが熱量とともに語られています。

 

ブログに掲載された文面は女性たちの共感を呼び、あっと言う間の500シェア。

彼の言葉は、一気に広まっていきました。

 

プレゼンテーションは、彼のスタッフさんにも直接、口頭で語られました。

女性スタッフたちは、感動したそうです。
うちのリーダーは、こんなにアツい思いを持って活動していたのかと。

それと同時に、言ったそうです。
「なんで、いままでこういう話をしてくれなかったんですか(笑&怒)」

 

■原石はあなたの中に眠っている

Hさんのエピソードから学べること。
自分の思いですら、向き合い・掘り下げないとわからない。

語るよりも前に、言葉を選ぶよりも前に、まずは自分の内側に目を向けてみましょう。

たくさんのダイヤの原石が、あなたの中にも眠っているかもしれませんよ。
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