from 野村尚義

私がセミコン(セミナーコンテスト)を好きな3つの理由

セミコンセミコンってご存知でしょうか?

半導体(セミコンダクター)のことではありません。セミナーコンテストの略で、セミコン。名前のとおり、各参加者がおこなうセミナーの順位を競うコンテストです。

主催の日本パーソナルブランディング協会のページの説明を引用すると、こう書いてあります。

セミナーコンテストとは、7名の挑戦者が、自らの体験をベースにオリジナルセミナーを作り、1人10分で発表、順位を競うイベントです。

毎回、笑いあり、涙あり、感動のセミナーが続出する中、評判が口コミで広がり、開催地は全国7ヵ所(東京、静岡、名古屋、大阪、福井、広島、福岡)、挑戦者数も400人を超えるほどの盛り上がりを見せております。

年末には、地区大会の優勝者が集まってNO.1を決めるセミナーコンテスト全国大会(通称セミコングランプリ)も開催させて頂いております。

主催の立石剛さんとのご縁があって、ずいぶん前から審査員・コメンテーターなどの役割で、ときどきお手伝いさせていただいています。

※そのときの記事として「魅せるセミナーの6つのポイント」など書きました

だから言うわけではないのですが、私はこのイベントが大好きです。

というのは、そこには挑戦者にとって圧倒的な成長の機会があるから。

別にセミコンの宣伝というわけではなく、10分のセミナーをつくるということの価値を、私の視点からお伝えしたいと思います。

私がセミコンのコンセプトにほれ込んだのには、3つの理由があります。

1.自分のコアを奥底まで深掘りする絶好の機会となる
2.発信することへの使命感が芽生える
3.語る力の圧倒的なトレーニングになる

それぞれ、結構深い意味があります。

 1.自分のコアを奥底まで深掘りする絶好の機会となる

コンセプトの掘り下げ Digセミコンでは、7名の挑戦者が自らの体験をベースにオリジナルセミナーを作ります。

挑戦者は決してセミナー講師のプロではなく(プロには参加資格自体がありません)、10分のセミナーなんて作り慣れているわけではありません。

多くの方は、初めての経験でしょう。

そこでつくられるセミナーは、何種類ものコンテンツを持っているプロの、数あるネタのひとつではありません。One of themなどではないのです。

「人生で、たったひとつのセミナーをつくるならコレだ!」という意気込みで臨む。気合いの入り方が違います。

だからこそ、そのセミナーづくりに大きなドラマが生まれます。

たとえば、考えてみてください。

あなたが人生でひとつだけ、今後に残る代表作としてのセミナーやプレゼンをつくるとしたら、どんな話をしようと思いますか?

…そう簡単につくれないのではないでしょうか?

まず、テーマ選びで悩みます。

人生でひとつだけのセミナーですから、それは言い換えれば自分自身の人生のテーマです。

そのテーマを選ぶということは「今後の人生を、私はこの土俵で勝負していく」と決めることです。その決断には、どう考えても勇気が要ります。

たとえば、わたくし野村が人生で唯一のセミナーをつくるとして、そこでお題に”プレゼンテーション”を選ばなかったとしたら、私はこの仕事をする資格がないんじゃないかと思うわけですよ。

次に、そのテーマのもとに語るべきコンテンツのセレクトにも悩むところ。

人前で話した経験が少ない方にとってみれば、10分という時間は長く聞こえるかもしれません。「えっ、10分も話せない!話せて、せいぜい3分…」といった感じかも。

でも実際は逆。やってみると、10分はあまりにも短い。

それもそのはず、自分の人生で一番語るべきテーマが10分で語りつくせますか?という話です。

削ぎ落とした結果残るのが”本当に伝えたいこと”

つまり、セミナーのコンテンツづくりは、切り捨てるプロセスだということ。

自分にとって語ることがたくさんあったとして、そのどれが重要で、どれが優先順位2位以下なのか?それを見定める過程なのです。

テーマにせよ、コンテンツにせよ、本当に真剣に自分に向き合わないと、たった10分で伝えるべきコアには届かない。

何でもそうですが、人生は足していくことよりも、引いていくことにこそ勇気が要る。

でも、その結果残ったメッセージは、不純物をとりのぞいた水のように透き通っていて、濃縮500%のエキスのように味がしっかりしている。

そんなメッセージを見つけた人はとても強いし、それを見つけるための過程が大きな成長の時間だと思うわけです。

正直な話、スタート当初のセミコンでは、挑戦者のセミナーはそこまで自己と向き合っているとは感じさせませんでした。今思い返せば、掘り下げが浅いセミナーも多かった(関係者の方々、ゴメンナサイ)。

でも、昨年の東京大会の方々などは、本当にすごいと思いました。

グランプリチャレンジャーの方々は、それこそ半年・一年かけてコアの深掘りなさっていた。

そこで掘り下げたものは、今後自分がずっと語り続けるに値するものとして仕上がるのだと思います。

 2.発信することへの使命感が芽生える

プレゼンテーションそこまで掘り下げたからこそなんでしょうね。

セミコンを通して仕上がったコンテンツを、その後に自主開催のセミナーや、お呼ばれセミナーで話す方もたくさんいらっしゃいます。

なぜ話すのか?

それは、大げさな表現をすると、ミッションに気付くからなのではないでしょうか。「あぁ、私の経験が、他の人のためになるんだ。あの経験は、今こうして伝えるためにあったんだ」そんな風に感じるから。

もちろん、セミナーを広告塔にしてビジネスに活かすため、セミナー自体を収益化するためというのもあるでしょう。

それももちろんOK。価値あるものが、対価とともにやりとりされるのは自然なことです。

でもお金を稼ぐだけならば、色々な方法がある。その数ある選択肢の中で、そのコンテンツを語るという方法を選んだのは、やはり同じく、ミッションにつながったからだと思います。

伝えるべきコンテンツに出会った瞬間に、自分は語り部だと気づく。

「このメッセージを伝えることは、今の自分に課せられた役割なのだ」そんな使命感とともに話す人の言葉は、聞く人の心を打ちます。そして、話せば話すほど、自分自身が元気になります。

当社の研修は、1日7時間を濃密に駆け抜ける研修です。

受講者さんも疲れますが、講師は受講者さん以上にヘトヘトになるまで出し切ります。

研修後に受講者さんから言われることがあります。

「先生は、毎日こういうことを続けてるんですよね。僕達はたまにの受講ですけど、先生は毎日この出し切り度合いで大変ですね」

まぁ、たしかに大変だし、ドップリ疲れ切るのですが、それでも10年やれているのには理由があります。

プレゼンについて語ることは私にとってはミッションだから。出すエネルギーと同等かそれ以上の充実感が得られるのです。

もし、毎日大勢のまえに立って話す内容が、私にとって興味のない内容だったとしたら、たぶん一年も続けられてないと思います。

 3.語る力の圧倒的なトレーニングになる

バスケットボール突然ですが、私は走ることが嫌いです。

合気道部に在籍した大学時代も、ランニングとか本当にやりたくなかった。一方で、バスケとかサッカーなどは大好き。レクリエーションなどでも、本気で取り組みました。

でも、バスケやサッカーって、気付いたら相当な量を走っているんですよね。きちんと計ったことはありませんが、何キロ走っていると思います。いつの間にか。

私はトレーニングとはこうあるべきだと思っています。

走ることを目的に走るのではない。勝つという目的のために全力を注いだら、気付かないうちに走っていた。タフになっていた。

語る力も同様。練習のための練習ではない。

よいセミナーに仕上げるべく、最高のメッセージを探していたら、いつの間にかメッセージ化能力が高まっていた。

思いを伝えるべく、何度もスピーチを繰り返していたら、いつの間にか発声もボディランゲージも板についていた。

語る力のトレーニングを積み上げて、最高のセミナーをつくったのではない。最高のセミナーを作ろうと試行錯誤していたら、語る力が引っぱりあげられた。そういう構造です。

もちろん、守破離の考え方から言えば、語る力のトレーニングが重要ではないとは言いません。

事実、当社のトレーニングでもそれらは実施します。でも、それだけだと不十分。積み上げる力と、引っぱり上げる力、両方が使えると最短距離でうまくなります。

プレゼンターに必要な3つの要素

当社マーキュリッチでは、そのミッションとして「プレゼンター人材の育成」を掲げています。

プレゼンター人材とは、役割のことではなく、24時間365日発信者として価値あるメッセージを綴る姿勢をもった人材のこと。

そして、魅力的なプレゼンター人材は3つの要素が揃っています。
・発信するべきメッセージ
・発信する姿勢・意欲
・発信するスキル

この3つすべてが手に入るのが、セミコンであり、10分間プレゼンに本気で取り組むことなのです。

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