~目次~
■プレゼンの専門家は、何がきっかけでプレゼンを学び始めたのか?
先日、日経システムの取材を受けたのですが、その際、結構、私自身の過去について色々とインタビューされました。
というのも、野村は元システムエンジニア。
尋ねられたのは、
・なぜプレゼンを学び始めたのか?
・どういうところから、勉強を始めたのか?
といったこと。
21世紀初頭のころの話です(笑)
でも振り返ると、当時のことが思い出されました。
■「あ、置いていかれる…」という危機感
写真は若手時代の野村。
新卒でシステム開発の会社に入社したとき、べつにITに詳しかったわけではありません。
大学では数学の専攻でしたから、工学部のように毎日PCに向かっていたわけでもなく。
数学なんて、紙とエンピツの世界です。
それで、入社してしばらく。
ふと、周りを見てみると、周囲はみんなとても優秀。そして、知識でも追いつけない。
「あ、これはやばいな…」
と思いました。
のんびりしていたら、二流・三流になると。
危機感を感じて、本格的にシステムの勉強をするわけですが、なにしろベースができていない。
すごく時間がかかる。
そして、もうひとつ気付いてしまうのが「ITにそんなに興味がない」ということ。
私よりも知識もセンスも持っている人間が、私よりも嬉々として研究に向かっている。
それにひきかえ、私ときたら…。
■編み出したカツカレープロジェクト
「あぁ、これは同じ土俵だけで勝負してはいけない」
ITという領域で、彼らに追いつき追い越すのは、ムリだ。
そう思って、私が考えたのが”カツカレープロジェクト”。
カツカレープロジェクトとはなにか?
激戦のカレー業界でトップを取るのは大変。
同じく激戦のトンカツ業界でも同様。
でも、掛け合わせのカツカレーならどうだ?
カツカレー専門店なんて少ないから、トップをとりやすいのでは?
自分はIT技術者として、一流ではない。カレーで言うならば、がんばっても町の有名店レベル。
でも、そこにソコソコ以上のトンカツを乗せればいいじゃないか。
じゃあ、ここでいうトンカツとはなにか?
■トンカツにすべき要素が、”わかりやすく魅力的に話す力”だった
そこそこ程度のカレーに、さほどおいしくもないトンカツを乗せても意味がない。
それでは、カレー屋のカツカレーにも、トンカツ屋のカツカレーにも勝てません。
だから、何で自分を尖らせるのか、その選択はとても重要です。
身近な仲間にも相談してみました。すると言われたのが、
「だったら、周りの人間が苦手なことで勝負したら?」
なるほど。
そういうつもりで、周りを見渡してみる。
すると、IT開発者ばかりの職場のなかで、コミュニケーションが目につくわけです。
当時、システムコンサルティング部というところに籍を置いていました。
システムコンサルタントとは、人と技術の橋渡しする役割なのですが、当社はかなり技術寄り。
「わかりやすく話す力を身につけることで、もっと人寄りのコンサルタントになれるのでは?」
そこに、需要があるように思える。
そして、憧れもありました。
魅力的に話ができる人間に対して。
(余談ですが、学生時代そういう人に囲まれていたので…)
だったら、やっぱり、わかりやすく&魅力的にシステムを語れる人間になろう。
それからしばらくして、その力をプレゼンテーションというのだと認識しました。
■きっかけは、危機感
…と、野村の昔話になってしまいました。
つまり、私の場合、得意だから始めたのではなく、周りが苦手だから始めたこと。
意外とスタートなんて、そんなものかもしれません。