from 野村尚義

■質疑応答での質問は「答えられる/答えられない」の前に

前回の記事で、

「質疑応答で質問がきたら、まずは3つの分類のどこに属するのかを判断してください」

という話をしました。

そして、3つの分類というのが、

 

1.そもそも質問ではない

2.答えられなくても仕方がない質問

3.答えられてしかるべき質問

 

だという話でした。

本日は、2と3について詳細を話しますね。

 

■「答えられなくても仕方がない質問」がこの世にはたくさん存在する

たとえば経営会議で、役員に向けて部下の立場でプレゼンテーションをするとき。

役員から飛んできた質問が、あまりにも予想外の角度から飛んできた。

 

そんなとき、あなたはパニックになるかもしれません。

「ど、どうやって答えようか…」

 

そんな風にパニクってしまうのは、その前提に

「相手の質問にはすべて答えられないといけない」

という思い込みがあるからです。

しかし以前にお話ししたとおり、そんなことないのです。

 

私たちはつい、質問をされたときに答えを探します。

「どう答えたらよいだろうか?」と考えるのですが、その前にもうひとつ質問してください。

「そもそも、この質問に対して、私はこの場で答えられる必要があるのか?」

 

■答えられなくて困る質問は、実は少ない

上記の質問をすると、4つのパターンがあることに気付きます。

 

1.答えられなくても仕方がない質問で、それでも答えられる

2.答えられなくても仕方がない質問で、実際に答えられない

3.答えられてしかるべき質問で、実際にこたえられる

4.答えられてしかるべき質問で、それなのに答えられない

 

図解するとこうです。

質疑応答の4パターン

そうすると、実は答えられなくて困る質問は少ないことに気付きます。

4番だけなのです。

そう考えると、気が楽になりませんか?

 

■答えられないときの対応自体は同じでも、モードが違う。

答えられないときの対応は、2であろうが4であろうが「調べて or 考えて、回答する期日を示す」。

しかし、この2つはモードが違うのです。

 

答えられないものが答えられないのは当然。だから毅然とする。

答えられるべきが答えられないのは申し訳ないこと。だから申し訳なさそうにする。

 

繰り返しになりますが、ここを切り分けていないと、すべてに罪悪感を感じてしまう。

そうではないのです。

 

■とにかく落ち着くこと。自分を落ちつけられる考え方をすること

さて、今回の質疑応答の方法については、とにかく「自分を追い込まない」ことをお伝えしてきました。

というのは、自分を追い込んでしまうと、答えられる質問にすら答えられなくなってしまうからです。

 

以前、何かの本で読んだのですが、人間は追いつめられるとIQが一時的に落ちるのだそうです。

サッカーなどで、ホームよりもアウェイのほうが勝率が落ちるのはそういうことなのだとか。

だからこそ、多少の割り切りをもつことで、むしろ質疑応答はうまくいきやすいのです。

ぜひ、自分を落ちつけられる考え方を身に着けてください。

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